こんばんは、、、、
今回は、私が開設していたWebページ「7K1PTOの壁新聞」で掲載していました、
「ミズホ・ピコシリーズトランシーバー用、CWのサイドトーンと外部ブレークイン」
の記事を当時のデータが残っていましたので、復刻版として、このブログに掲載したいと思います。
(内容や文章も当時のまま行ってみますね)
実は先日何度かお空でお相手頂いているOMさんから、当時の記事・図面を参考に実際に製作されていた・・・という大変うれしいお話しを伺いました。
ミズホのピコ(Sシリーズ)や、回路を少し応用して当時CWブレークイン機能が無かった時代のFT-690、290(あと430の機種、なんだっけ(^^;等のシリーズなどにも、改造して応用できるかもと思い。当時のWebページのバックアップデータを押し入れから!?発掘してきました。
各部品等の定数など、もっとちゃんと適値があるかもしれません。いろいろ便利回路等の作成のヒントにでもなって頂けたら幸いです。
Japanese only
更新日:1998/Dec/31
今回は日本のQRP専用トランシーバーの王様、ピコトラ用の便利周辺機器を作ってみました。ピコトラで主にCWを楽しまれている方はご参考にされてください。
日本ではQRP用のトランシーバーとして有名なものの中にピコシリーズ(ミズホ通信)があります。
HF帯用では3.5MHz、7MHz、14MHz、18MHz、21MHz、28MHz、50MHz用の7シリーズが今まで発売されております。
現在では7MHzと21MHz、50MHz以外のピコトラは限定生産品だったりするためか、なかなか入手が難しいと思いますが、その抜群に良い受信感度、小型で乾電池でも簡単に移動ができること、SSB・CWの2モード運用ができることなど、手頃にHF帯の移動運用ができるため今だに世界中のQRP族や移動運用族の人気の的になっております。
私も最近になって中古品ですが、50MHz(MX6S)、21MHz(MX21S)の2台のピコトラを手に入れる事ができました。 最近ではうん十万円もして必ず交信できる100W以上のHF無線機よりも、相手に届くかどうか分からない数W以下のピコトラやQRP自作機からのON・AIRが多くなって、また新たなHAMの楽しみを知った今日この頃です。
さて、この手軽なピコトラ、使った事がある方だったら分かると思うのですが、SSBのでの運用でしたら特になんら問題は無いのですが、QRP運用の強みを発揮するCWの運用となるとさすがに事情が異なってきます。
いくらか気になることを挙げてみますと・・・・
- ピコトラのCW運用での問題
- CW用のサイドトーン回路が内蔵されていない。
- キーでのブレークインができない。
とまあ、CW運用ではとても大切だと思うような機能が残念ながらピコトラ本体から抜けているのです。
実はこの部分はミズホ通信からオプションで「サイドトーン、ブレークイン」が発売されているのですが、これはさすがにお値段が張りますので、今回はアマチュア精神を発揮していっちょ作ってみることにしました。
- 今回改良したもの
- 移動運用時のサイドトーン音量不足を補う為に、今回は圧電ブザーを止め、オーディオアンプのLM386とサイン発信器を採用しました。これで、サイドトーンの音量可変と発信周波数を自分の好みの周波数に設定できるようになりました。
では早速作ってみましょう!!
部品 | 個数 | 部品 | 個数 |
2SC1815(他代用可能) | 2 | 2SA733(他代用可能) | 1 |
10D1 | 1 | 1S1588 | 2 |
LM386 | 1 | 9Vリレー(2回路) | 1 |
コンデンサ | |||
0.01μF | 6 | 0.047μF(マイカ) | 2 |
0.022μF | 2 | 10μF(電解) | 1 |
100μF(電解) | 1 | ||
抵抗器 | |||
18K | 2 | 10 | 1 |
10K | 1 | 3.3K | 1 |
10K VR | 1 | 50K VR | 1 |
3.3K VR | 1 | ||
小型スピーカー | 1 | ケース | 1 |
ステレオプラグ3.5φ | 1 | 電線・基盤・その他 | 若干 |
部品には特に特殊な物はありませんので、何処でも入手できますね。
多少数値が変わっても問題ないと思います。
おおまかな回路図です。
簡単な回路の説明をしますと・・・・
トーン発信器部分は2SC1815を使用してサイン波発信を行っております。発信周波数は3.3KΩの半固定抵抗器にて約600Hzから900Hz弱可変が可能です。
お好みの発信周波数にしてご使用ください。
なお、この発信器はFCZ研究所から「サイン波発振器(品番:114A)」というキットでの代用も可能です。
この発振器で発信されたものを、低周波アンプ(LM386)のオーディオアンプで増幅して、キーイングの時にスピーカを鳴らします。
次に、セミブレークイン用の制御回路ですが、2SA型トランジスタと2SC型のトランジスタ(npn型、pnp型)を組み合わせたスイッチング回路にて、リレーを直接駆動させ無線機側のPTTをON-OFFします。
50KΩの半固定抵抗器でリレーの遅延時間を調整します。2SAのベースをアースに落とす(電鍵をON)にすることにより、2SCのコレクタがアースに落ちます。これによってリレーを駆動するためのものです。
こんなに簡単な回路でもブレークイン回路が完成します。
使用電源は5V前後から12V前後までなら直接問題なく使用できるでしょう。ただし電圧によってはバイパスコンデンサが必要になってくる場合もあると思います。
今回は持ち運びも考えて、電源の006P(9V)を使用しましたが、リレーが5Vの物しか手に入らず、仕方なく低電圧IC(98L05)を追加して制御しています。
セミブレークイン制御部分
サイン波発信回路とリレー
今回はなるべく小型に製作しようとしたため、使用基板としてFCZ研究所のトランジスタ基板を使用しました。これだと若干空中配線になってしまうので間違えやすいのですが、このくらいの回路だと問題なく使用できますし、かなり小型にできますので非常に便利です。
さあ、ケースに組み込みます。006Pの大きさと基板の大きさ、キージャックの配置を考えて上手くケースに組み込みましょう。リレーにビニール袋を被せているのはリレー端子の絶縁用です。
今回はプラスチックケースを使用しましたが、実際の運用でも電波等回り込みも無く問題なく使用できました。扱う電力によっては回り込み防止の為シールドをしっかり取った金属ケースに組み込まなければならない場合もあるかもしれませんね。
実際に使用してみて
さて、完成したセミブレークイン回路、サイドトーンを愛用のピコトラに接続してCWにて運用してみました。
感想は、電鍵を持つ片手でブレークインができるようになってかなり楽になりました。(今までは別にPTTスイッチをピコトラ上部のマイク端子に接続して左手で送受を切り替えていた)
サイドトーンも上手く動作してくれまして、かなりミス送信が少なくなりましたね。
以前ミズホ純正のオプションを使用した事があったのですが、やはり圧電ブザーとは比べ物ならないくらいにサイドトーンが自然に聞こえてきます。オプション製品に負けないようなものが簡単にできました。
将来的には、これにエレキーIC(TICKIC)なんかも組み込んで、縦振り電鍵とパドルの両方からピコトラを制御できるようにしてみたいと考えております。
このように、自作トランシーバーを作ることも面白いですが、普段のQSOを効率よくするための周辺機器の自作製作も結構楽しいですよ・・・。是非お試しください。
メッセージやメール等でご連絡頂ければ(なかなか即返信まではできませんが)、気が付き次第連絡させて頂きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿