今日はこの度扱った修理案件を一つ忘備録として記してみます。
ICOMのV/UHF機、現在はIC-9700が現役且つこの無線機が世に出てくれたおかげで、それまで低迷だった1200M帯が一気に活気づきました。その後のハイバンド開拓への流れとしてIC-905等が発表・発売されたのは言うまでもありませんが
実はこれら現行機以前に、スーパーな名機としてIC-910、IC-911のシリーズがあります。
これらはスプリアス技適の関係でのリニューアルとは想像できますが、なにせ耳がむっちゃ良い!!現行のIC-9700よりも全然良い。
(IC-910のノーマル受信感度≒IC-9700+RFアンプ)
という話はよく聞きますし、実体験としては私もそう思います。
「IC-9700で何か聞き取れないけれど、信号が有ること自体は分かる⇒IC-910ではしっかり喋っている内容が分かる」という事も何度も経験しております。
それが故に、なかなか今でもIC-910や911等、今でも現役で大切に使っていて、手放すという人は本当に少ないと思います。とは言えIC-910に付いてはメーカーさんの修理サポートは完全に終了してしまった事はとっても残念です。
とは言え、もう製造発売から相当年数を経過しており、
有名な液晶問題以外にも彼方こちらで不具合が出てくる場合があります。
そしてここにも、調子悪くなってしまったIC-910が・・・
「1200MHz帯で送信中不安定になる」「電波が出ない、出ても極小」「表示面のRF表示部ではフルパワー電波出ている表示なのだが、実際には電波が出たり出なかったり、出なくなったり」「パワーコントロールが効かない」「以上に本体が送信中でもないのに発熱が凄い・・・」などなど、
以前より各部フラットケーブルの接触や電源系統、各種制御用などのケーブル等々を抜き差ししたり、これらコネクター類の特に半田クラックを探したり・・・、
していたのですが、今回はある程度徹底的に原因を探り、対策をすることにしました。
怪しい1200Mユニット「UX-910」
今回、作業忘備録としてですので・・・実施した作業を書きますね。
①UX-910ユニット搭載の(恐らくパワーモジュール含む各プレRF送信アンプの電源・電流を司っていると思われる)パワートランジスター「2SB1133」を交換。
このパワートラ、回路図によると、1200M終段のパワーモジュール(M57762)のバイアス、またパ話モジュールに入る前のドライブ(プレ)アンプ(2SK2855や2SK2354)のソース側にも供給される電力(1TX9系統)を司っており、どうも此れが(壊れては居ないけれども、劣化?などで熱を持ってくると、怪しい動きをしているっぽい!!)ただ、この三洋製の2SB1133(後に実際交換した写真の1134も)既にディスコンで、なかなか流通在庫もありません。某パーツ屋さんに2SB1133は発見しましたが、、、今度は何時買いに行けるのか・・・
そんななか、あれっ???
恐らく熱でもって、表面のシルク銘板ももう見えなくなっているような状態でもあり、これもたまたま有った手持ちの9Vレギュレーターへと付け替えてみました。
そのため、各部に加わる熱ストレスによる半田クラックや部品劣化が無いかどうか併せてチェック。特にファイナルモジュール部分はアース側の点検も含め、再半田なども実施しました。
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